札幌市内でクロオオアブラコウモリが繁殖したことで
ツイッターでもトレンド入りした「レッドリスト」。
2020年度版では2019年と比べて絶滅危惧種が
40種類増えたため3716種類もの動物が
レッドリストに記載されています。
この記事ではレッドリストとはどういうものなのかお伝えし、
動物に分類されている動物を3種類紹介します。
レッドリストとは
レッドリストとは絶滅する恐れのある動物や植物(野生生物)をまとめたリストのことで
日本に限定されている環境省が発表するものと
国際環境NGOのIUCN(環境自然保護連合)が発表する世界的なものがあります。
今回は日本の動物を紹介しますので、
環境省版レッドリストに焦点を当てます。
レッドリストは動物8部類群、レッドリストは植物5部類群
計13部類群から構成されていて
部類群ごとの専門家が集まり議論を重ねてできあがります。
哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、汽水・淡水魚類、
昆虫類、陸・淡水産貝類、その他無脊椎動物 植物:
維管束植物、蘚苔類、藻類、地衣類、菌類
そして各動物・植物を以下9つのカテゴリーに分けて評価して、
「みんなで見守りましょうね」と社会に広めることを目的としています。
次にどのようなカテゴリーに分かれているか説明しますね。
絶滅種
絶滅(EX)
昔は日本で生息していたけれど、もう存在していない動植物。
野生絶滅(EW)
昔日本で野生で生息していたけれど、今は飼育や栽培で
手を入れないと生息できない動植物。
(野生では絶滅している。)
絶滅危惧種
絶滅危惧種Ⅰ類(CR+EN)
いつ絶滅しても不思議ではない動植物。
生息地での環境が悪化して野生で生きるのが
とても大変な状態。
絶滅危惧種ⅠA類(CR)
近い将来、野生では生き残っていない可能性の高い動植物。
過去10年間または3世代の期間で80~90%以上減ってしまう場合。
もしくは3年間または1世代の期間で継続的に25%の減少が見込まれる場合。
絶滅危惧ⅠB類(EN)
ⅠA類ほどひどくないけれど、
将来野生では生き残っていない可能性のある動植物。
過去10年間または3世代の期間で50~70%以上減ってしまう場合。
もしくは5年間または2世代の期間で継続的に20%の減少が見込まれる場合。
絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
絶滅する確率が大きくなっている動植物。
過去10年間または3世代の期間で10~50%以上減ってしまう場合。
絶滅のリスクが低い
準絶滅危惧 (NT)
今のところ絶滅する危険要素はないけれど、
生息地などの環境の悪化によっては
絶滅危惧種になる可能性のある動植物。
その他
情報不足(DD)
情報が少なくて評価できない動植物。
絶滅のおそれのある地域個体群 (LP)
地域レベルで絶滅の可能性が高い動植物。
日本のレッドリスト掲載に掲載されている動物
この章ではどのような動物が環境省版レッドリストに載っているのか
名前と特徴とともに紹介していきます。
ニホンアシカ
カテゴリー:絶滅危惧種ⅠA類(CR)
かつて日本列島の周辺の海岸沿いに生息していたけれど、
1900年代に入ってから少なくなりました。
ニホンアシカは縄文時代から生息が確認されている
とても貴重な動物でしたが1950年代後半ごろ
竹島周辺で目撃されてから誰も見ていません。
2020年になっても正式に絶滅種として分類されていないのは
この目撃証言が生きているからでしょうか…。
本物のニホンアシカを見ることはできませんが、
日本国内で4か所、はく製で展示しているそうです。
シマフクロウ
カテゴリー:絶滅危惧種ⅠA類(CR)
北海道で生息が確認されています。
翼を広げるとおよそ180cmもある、
最も大きいフクロウと言われています。
また主食が魚なので英語名では「Fish Owl」と呼ばれています。
現在、170羽のシマフクロウが日本にいますが、
高度経済成長期の1970年代には多くの森が破壊され、
70羽しかいなかったそうです。
シマフクロウは森の中で生活をするフクロウなので
生きるためには自然豊かな森が必須です。
アカウミガメ
カテゴリー:絶滅危惧種ⅠB類(CR)
硬い甲羅を持つカメでは一番大きいアカウミガメ。
強いあごと赤褐色の甲羅を持っています。
主にクラゲ、貝、カニや魚を食べる肉食のカメです。
5月の中頃あたりから宮崎県の砂浜で産卵を始めるそうです。
例年では8月の中頃には産卵を終えます。
また神奈川県にある江ノ島水族館や
大阪の海遊館でアカウミガメを飼育しています。
野生ではありませんが、アカウミガメを見に行くことができます。
まとめ
環境の変化で今までレッドリストに入っていなかったのに
登録されてしまった動植物たちが少なくないことが
今回調べて分かりました。
今いる(ある)動植物たちがこれからもずっと
生きていられるように、見守るだけでなく
活動にも注意しなければ、と襟を正すような思いです。
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